【塗装トラブルの根本原因を徹底解説 ― よくある誤解と正しい対策】
2026.02.10
『はじめに』
金属製品の塗装において、「塗装トラブル」は多くの現場で頭を悩ませる課題です。色ムラや剥がれ、ブツや垂れ、早期劣化といった不具合は、品質クレームや再加工によるコスト増、納期遅延につながります。特に製品開発や生産技術、調達を担当されている方にとって、塗装トラブルは「避けたいが原因が分かりにくい」厄介な問題ではないでしょうか。本記事では、塗装トラブルの根本原因を整理し、現場でよくある誤解と正しい対策を、本田塗装工業の経験をもとに詳しく解説します。
『Point:塗装トラブルの多くは「塗装そのもの」ではなく工程全体に原因がある』
結論からお伝えすると、塗装トラブルの原因は「塗装作業が雑だったから」「塗料が悪かったから」といった単純な話ではありません。実際には、設計段階、前処理、環境管理、仕様の伝達不足など、工程全体に原因が潜んでいます。トラブルを防ぐためには、塗装工程だけでなく、前後のプロセスを含めた総合的な視点が必要です。
『Reason:なぜ塗装トラブルは繰り返されるのか』
塗装トラブルが繰り返される理由の一つは、「原因の切り分けが曖昧なまま対処してしまう」ことにあります。表面に現れた不具合だけを見て対策を講じても、根本原因が別の工程にあれば、同じ問題は再発します。また、塗装に関する専門知識が十分に共有されていない場合、「それは塗装業者の責任」「設計側では分からない」という認識のズレが生じやすくなります。こうした誤解を解消し、正しい理解を持つことが、トラブル防止の第一歩となります。
『塗装トラブルでよくある誤解』
・塗装不良は職人の腕だけの問題という誤解
塗装トラブルが起きた際、「職人の腕が悪かったのではないか」と考えられることは少なくありません。しかし実際には、熟練した職人であっても、前処理が不十分であったり、設計上塗装に不向きな形状であったりすれば、不具合が発生する可能性は高まります。本田塗装工業では、現場歴20年以上の職人が在籍していますが、それでも工程条件が整っていなければ品質は安定しません。塗装品質は、個人の技量だけでなく、工程全体の設計と管理によって左右されるものです。
・塗料を高級品に変えれば解決するという誤解
「良い塗料を使えばトラブルは防げる」と考えられがちですが、これも誤解の一つです。塗料にはそれぞれ適した下地処理や塗装条件があり、使用環境に合っていなければ本来の性能を発揮できません。たとえば、防錆性能に優れた塗料でも、脱脂や化成処理が不十分であれば、早期剥離につながります。塗料選定は重要ですが、それ以上に「どう使うか」が品質を左右します。
『塗装トラブルの主な根本原因』
・前処理不足が引き起こす不具合
塗装トラブルの中で最も多い原因の一つが前処理不足です。金属表面に油分や汚れ、酸化皮膜が残ったまま塗装を行うと、塗膜の密着性が低下し、剥がれや膨れが発生しやすくなります。本田塗装工業では、脱脂、研磨、必要に応じた化成処理を徹底し、塗装前の下地状態を安定させることで、トラブルの発生を抑えています。
・環境管理の甘さによる品質低下
塗装は非常に環境の影響を受けやすい工程です。温度や湿度、粉塵の管理が不十分な状態では、ブツやムラ、乾燥不良が発生しやすくなります。特に溶剤塗装では、湿度の影響で白化現象が起こることもあります。塗装ブース内の環境を安定させることは、見た目だけでなく、長期耐久性にも直結します。
・仕様伝達不足によるミスマッチ
設計側が求めている品質と、塗装業者が想定している仕上がりが一致していない場合、トラブルは起こりやすくなります。たとえば、「見た目重視」なのか「耐久性重視」なのかが曖昧なまま進行すると、仕上がりに対する評価が分かれます。膜厚、外観基準、使用環境などの情報を事前に共有することが、トラブル防止には欠かせません。
『塗装トラブルを防ぐための正しい対策』
・工程全体を見据えた事前検討
塗装トラブルを防ぐためには、塗装工程だけでなく、設計段階からの検討が重要です。水が溜まりやすい形状や、塗料が回りにくい構造は、後工程で不具合を引き起こしやすくなります。本田塗装工業では、試作段階から相談を受けることで、塗装しやすい設計へのアドバイスも行っています。
・試作によるリスクの見える化
量産前に試作を行うことで、塗装リスクを事前に把握できます。実際の塗装条件で試すことで、色味や膜厚、仕上がりのばらつきを確認でき、量産時のトラブルを大幅に減らすことが可能です。試作はコストがかかるように見えますが、結果的には再加工やクレーム対応のリスクを下げるメリットがあります。
『本田塗装工業の取り組み』
本田塗装工業は、2008年創業以来、金属焼付塗装を中心に多様な業界の製品を手がけてきました。サテン、ハンマーネット、メタリック、レザートンといった特殊仕上げにも対応できる専門性を有しています。医療機器や自動車関連部品など、品質要求の高い分野での実績が、技術力の裏付けとなっています。試作や小ロットでも真摯に向き合う姿勢が、長期的な信頼関係につながっています。
『塗装トラブル対策のメリットとデメリット』
工程全体を見直し、事前検討や試作を行うことには、品質向上やトラブル削減という大きなメリットがあります。一方で、初期段階では打ち合わせや検証に時間がかかるというデメリットもあります。しかし、その手間を惜しんだ結果、量産後に大きなトラブルが発生すれば、コストや信頼の損失は計り知れません。短期的な効率だけでなく、長期的な視点で判断することが重要です。
『まとめ』
塗装トラブルの多くは、塗装工程単体ではなく、設計、前処理、環境管理、仕様伝達といった工程全体に原因があります。よくある誤解にとらわれず、根本原因を正しく理解し、事前に対策を講じることで、品質トラブルは大きく減らすことができます。本田塗装工業では、豊富な経験と専門知識をもとに、塗装トラブルを未然に防ぐための提案を行っています。塗装品質でお悩みの際は、ぜひ一度ご相談ください。
